「せぼね」で困ったらどうしましょう?(第1回)
真星病院 名誉院長 鷲見(すみ)正敏(まさとし)

みなさんの周り、あるいは、みなさん自身の中にも、
「せぼね」で困りの方は多いと思います。

ぎっくり腰

「ぎぇーっ。痛ったったった。」
「立たれへん、つかまらせて。」
「医者行きたいけど、行かれへん。」
いわゆる「ぎっくり腰」の症状です。

「なんか肩甲骨のへんが痛い思とったら、
今度は腕が痛なって、手もしびれるし、
むっちゃ気分悪いわ。」

「洗濯物を干そうて思たら、痛いのなんの。」
頚椎ヘルニアなんかの症状です。
こんな風に、急に悪くなってしまって
身動きができないこともあれば、

腰痛

手や足がびりびりしたり、
首や腰が痛くなったりする症状が繰り返し、
だんだん悪くなることもあります。

ヘルニア

歩きにくかったり、
いろいろ用事をしにくくなるんですよね。
また、お医者さんに診てもらったら、

「あんたこれヘルニアでっせ。」
「狭窄症って、聞いたことある?それそれ。」
「すべり症やね、骨、ずれてますよ。」
解りにくくて「たいそうな」「病名」を
いきなり言われて大混乱。家に帰ってからご家族に

腰痛

「あんた一体何の病気なん?」
て聞かれてもよう説明できんで、
困ってしまうことはあると思います。
治療が始まっても、

「この薬、効かへんのん?もう手術しかないよね。」
「こんなん放っといたら寝たきりですよ。」

「若いうちに手術しといたらどう?」
なんか、簡単に「手術」って言うけど
大丈夫?て思いますよね。

腰痛

必死の思いで手術を受けても、

腰痛

「えーっ、手術はうまくいってますよ。」
「そら、しゃあない。もう、これ以上はね。」って・・・



 私は1987~2005年の間、国立神戸病院(現:神戸医療センター)で、
続いての2005~2019年には神戸労災病院で5,000件以上の「せぼね」手術を行ってきました。
この度、縁あって真星病院に勤務させていただくことになりましたので、
これまでの手術経験とたくさんの患者さんを診察してきた臨床経験、
そして学会活動(2009年米国最優秀賞受賞、第8回アジア・太平洋地域国際頸椎学会会長、
国際頸椎学会日本機構理事長)を通じて得た知識を使って、
「せぼね」でお悩みのみなさんに対応させていただきたいと思っています。
着任後は当院で「せぼね外来」を火曜と木曜の午後に開設しています。
「せぼね」でお悩みの患者さんたちを診察し、お困りの点についてみなさんと一緒に考えながら、
最善の方向について検討させていただくようにしています。
今回、このコラムを担当させていただくことになりましたので、
「せぼね」についての知識や考え方を、
より多くのみなさんに解りやすく説明させていただければと考えています。
次回からは病気のことについて詳しく書きます。ご期待下さい。