1.「せぼね:バックボーン」
「せぼね(背骨)」は英語では「バック(背)・ボーン(骨)」です。
「バックボーン」がしっかりしてるからね、の「バックボーン」です。
つまり、身体を支える柱の役割を果たしている大事な「骨」を「せぼね」と呼びます。
「家」で言えば「大黒柱」、
お寺の「塔」では「心柱(しんばしら)」が
これに当たります。
ところで、「塔」の「心柱」の一番下は宙に浮かせてるのをご存じですか?
「心柱」は土台との間で図のように浮いているので、動く余裕があります。
「塔」のように長い「身体」を支える「せぼね」にも、
軟らかく余裕を持って支える能力が必要になります。「せぼね」の
骨と骨の間には軟らかい「椎間板」があり、
「せぼね」に柔らかく余裕をもたせて身体を支えています。
ただ、人間は立って、歩いて、物をかかえてと
「せぼね」に強い負担をかけるため、
20歳を過ぎた頃から軟骨の「椎間板」は「硬く」「動きにくい」ものへと
「変性」してきます。
皮膚の老化と同じで、軟骨の中の水分が減り、
ポヨンポヨンの「椎間板」がバサバサに「老化」し始めるのです。
若い人の肌を見て「プヨンプヨンして羨ましぃ!」
ってあれと同じ変化です。
「椎間板」が「硬く・動きにくく」なると、
周りの骨も「老化」し始めて変化します。
このため「椎間板」だけでなく後ろにある
「関節」も硬く「老化」して、
「腰痛」や「ヘルニア」などの問題が出てきます。
2.「腰痛」のお話
普段の生活で、突然、強い腰痛に襲われて
動けなくなることがあります。
「ぎっくり腰」と呼ばれ、あんまり痛いので
ドイツでは「魔女の一撃」とも言われています。
医学的には「急性腰痛症」で、通常は保存治療が効いて2週間前後で治ります。
ただ、このように強い腰痛になる原因は、他にもあるので注意が必要です。
「大動脈瘤の破裂」「癌による腰痛」「尿路結石」や内臓が原因の「腰痛」です。
この中には「大動脈瘤」などのように「死ぬ」可能性のある「腰痛」もあります。
簡単には見極められませんが、内臓からの「腰痛」は「身体」の動きとは関係なく
「痛み」が強くなるので「身体」を動かすと痛みがひどくなる
「急性腰痛症」とは少し異なります。
また、「圧迫骨折」「化膿性脊椎炎:細菌が感染したためせぼねが潰れる病気です」「せぼねの腫瘍」
そして「椎間板ヘルニア」など、「死」ななくても、厄介な病気で「腰痛」になることもあります。
これらを区別するのは難しいので、「ぎっくり腰」かな?と思っても、医者に行きましょう。
3.「腰椎椎間板ヘルニア」のお話
「椎間板」は若くから「変性」が始まります。
何かのきっかけで「変性」で弱くなった「椎間板」の「殻」が壊れ、
中の「髄核(ずいかく):ゼリー状の塊」が
「殻」から外へ飛び出します。飛び出した「髄核」がそばの
「神経」を押すため、「足へ走る痛み:放散痛」が出現しますし、
壊れた「殻」が「腰痛」となります。これが「ヘルニア」です。次回で詳しく説明します。