神経根症は、首にある脊髄から腕へと伸びている神経(神経根)が
刺激され、首から右肩や腕にかけて痛みが生じる病状です。
原因について説明します。
頸椎(けいつい)は首の中にある背骨の一部ですが、
各々の骨をつないでクッションの役目をしている椎間板(ついかんばん)は、
加齢とともに弾力性をなくして潰れ始め、
周りに出っ張りが生じてきます。頸椎症といいます。
この出っ張りが神経根を刺激して腕への痛みを引き起こすことがあり、
その状態を頸椎症性神経根症と呼んでいます。
神経根症による痛みは強く不快なものですが、
適切な薬を飲んで頸椎を安静に保つことで、ほとんどの痛みは良くなります。
手が動かないなど、まひのある方には手術しますが、
頚椎手術を多く行う病院でも、
痛みだけの神経根症に対して手術をすることはほとんどありません。
相談者の場合も、腕全体へ走っていた痛みが首の周りに限られてきているようです。
手術は不要で、このまま良くなっていくと思います。
もう注射も不要ではないでしょうか。
ただ、現在の痛みは神経根症ではなく頸椎のゆがみや変形など他の原因によるかもしれません。
きちんと判断し、今後の方針を立てるためにも今一度、
整形外科医の受診をお勧めします。